コスト最適化

コスト最適化の柱には、最も低い価格でシステムを運用してビジネス価値を実現する能力が含まれます。

コスト最適化の柱では、設計原則、ベストプラクティス、質問の概要を説明します。実装に関する規範的なガイダンスについては、「コスト最適化の柱」のホワイトペーパーを参照してください。

設計原則

クラウドでのコスト最適化には、5 つの設計原則があります。

定義

クラウドでのコスト最適化には、4 つのベストプラクティスの分野があります。

他の柱と同様、検討する必要があるトレードオフも存在します。たとえば、優先するのは、市場投入までのスピードですか、それともコストですか? 市場投入スピードを短縮する、新しい機能を導入する、締め切りに間に合わせるといったケースでは、前払いコストの投資を最適化するよりも、スピードを優先した方が望ましい結果となります。長期的にコストを最適化できるワークロードのベンチマークの選定に時間を掛けるよりも、「万一の場合」の備えを過度に重視してしまう傾向が常にあるため、設計についての決定が実際のデータに基づかずに、性急に行われることがあります。その結果として、多くの場合、非常に過剰なプロビジョニングで、最適化の不十分なデプロイを行い、ライフサイクルが終わるまでその問題が残ってしまうのです。以下のセクションでは、デプロイにおける初期段階でのコスト最適化と継続的なコスト最適化について、そのテクニックと戦略的ガイダンスを紹介します。

ベストプラクティス

費用認識

クラウドによる柔軟性と俊敏性の向上は、イノベーションを促進し、開発とデプロイのペースを高めます。クラウドによってオンプレミスインフラストラクチャのプロビジョニングに関連した手動プロセスや時間を省くことができます。これにはハードウェア仕様の決定、価格交渉、注文管理、発送のスケジュール設定、リソースのデプロイなどが含まれます。ただし、この使いやすさと事実上無限のオンデマンドキャパシティーを生かすには、費用に対する新しい考え方が必要になります。

多くのビジネスは、さまざまなチームが運用する複数のシステムによって構成されています。リソースのコストをそれぞれの組織や製品オーナーに帰属させることができると、リソースを効率的に使用し、無駄を削減できます。コストの帰属を明確にすることで、実際に利益率の高い製品を把握し、予算の配分先についてより多くの情報に基づいた決定ができるようになります。

AWS では、Cost Explorer を利用し、費用を追跡して実際の内訳を把握できます。AWS Budgets を使用すると、使用量やコストが予想と一致しない場合に通知を送ることができます。リソースへのタグ付けを使用すると、使用状況やコストにビジネスや組織の情報を付けることができ、組織の観点から最適化についてさらに深く理解できます。

以下の質問は、コスト最適化に関するこれらの考慮事項に焦点を当てています。

COST 1: 使用状況をどのように管理しますか?
COST 2: 使用状況とコストをどのようにモニタリングしますか?
COST 3: 不要なリソースをどのように削除しますか?

コスト配分タグを使用して、AWS の使用量とコストの分類や追跡ができます。AWS リソース (EC2 インスタンスや S3 バケットなど) にタグを付けると、AWS では使用量とタグの情報を使ってコストと使用状況のレポートが生成されます。組織のカテゴリ (コストセンター、ワークロード名、所有者など) を表すタグを付けることで、複数のサービスにわたってコストを整理することができます。

リソースのタグ付けとエンティティのライフサイクル追跡 (従業員、プロジェクト) を組み合わせることで、組織に価値をもたらしておらず、廃止する必要がある孤立したリソースやプロジェクトを特定できるようになります。請求アラートを設定して、予測される過剰なコストの通知を受けることができます。また、AWS 簡易見積りツールを使用して、データ転送コストを計算できます。

費用対効果の高いリソース

ワークロードにとって適切なインスタンスとリソースを使用することが、コスト削減の鍵になります。たとえば、レポート処理を小規模なサーバーで実行すると 5 時間かかるものの、費用が 2 倍の大規模なサーバーでは 1 時間で実行できるとします。どちらのサーバーでも同じ結果が得られますが、長期的に見れば小規模なサーバーで発生するコストの方が大きくなります。

優れた設計のワークロードでは最もコスト効率の良いリソースが使用されるため、大幅にプラスの経済的影響が生じます。また、マネージドサービスを使用することで、コストを削減できる場合もあります。例えば、E メールを配信するためにサーバーを保守することなく、メッセージ単位で料金が発生するサービスを使用できます。

ニーズに最も適した方法で EC2 インスタンスやその他のサービスを利用できるように、AWS には柔軟でコスト効率が良いさまざまな料金オプションがあります。オンデマンドインスタンス最小コミットメントの定めがなく、コンピューティングキャパシティーに対して 1 時間単位で料金が発生します。リザーブドインスタンスキャパシティーを予約することで、最大 75% のコストを削減できます。スポットインスタンスでは、使用されていない Amazon EC2 キャパシティーを活用し、オンデマンド料金と比べて最大 90% 節約できます。スポットインスタンスステートレスなウェブサーバー、バッチ処理など、サーバー群の中で個々のサーバーが動的に追加または削除されることを許容するシステムや、HPC とビッグデータの使用に適しています。

サービスを適切に選択することでも、使用量とコストを削減することができます。たとえば、CloudFront を使用するとデータ転送を最小限に抑えられます。コストを完全に排除できる場合もあります。たとえば、RDS で Amazon Aurora を活用すれば、高額のデータベースライセンスコストが発生しません。

以下の質問は、コスト最適化に関するこれらの考慮事項に焦点を当てています。

COST 4: サービスを選択するとき、どのようにコストを評価しますか?
COST 5: リソースタイプとサイズを選択する際、どうすればコスト目標を達成できるでしょうか?
COST 6: コストを削減するには、料金モデルをどのように使用したらよいでしょうか?
COST 7: データ転送料金についてどのように計画していますか?

サービスの選択時にコストを考慮に入れ、Cost Explorer や AWS Trusted Advisor などのツールを使って定期的に AWS の使用状況を確認すると、使用状況をアクティブにモニタリングしてデプロイを適宜調整できます。

需要と供給を一致させる

需要と供給を最適に一致させることでワークロードのコストを最低限に抑えることができますが、プロビジョニングの時間と個々のリソースの障害に備えて十分に余裕を持った供給も必要です。需要が一定の場合も変動する場合もあり、管理に多大なコストがかからないようにメトリクスと自動化が必要です。

AWS では、需要に合わせてリソースを自動的にプロビジョンできます。Auto Scaling を使用すると、需要ベース、バッファーベース、時間ベースのアプローチによって、必要に応じたリソースの追加と削除が可能です。需要の変化が予測できる場合、さらに費用を削減し、リソースをワークロードのニーズに確実に合わせることができます。

以下の質問は、コスト最適化に関するこれらの考慮事項に焦点を当てています。

COST 8: リソースの供給と顧客の需要をどのように一致させていますか?

需要と供給を一致させる設計をする場合、使用パターンと新しいリソースのプロビジョニングにかかる時間をよく検討する必要があります。

長期的な最適化

AWS では新しいサービスと機能がリリースされるため、既存のアーキテクチャの決定をレビューし、現在でもコスト効率が最も優れているかどうかを確認することがベストプラクティスです。要件の変化に応じて、不要になったリソース、サービス全体、システムを積極的に廃止してください。

AWS のマネージドサービスによってワークロードを大幅に最適化できます。新しいマネージドサービスと機能が利用可能になったときに、こうしたサービスに気付くことが不可欠です。たとえば、Amazon RDS データベースを運用すると、Amazon EC2 で自分のデータベースを運用するより安価になる場合があります。

以下の質問は、コスト最適化に関するこれらの考慮事項に焦点を当てています。

COST 9: 新しいサービスをどのように評価していますか?

デプロイを定期的に見直すときには、新しいサービスでどのようにコストを節約できるか評価します。たとえば、RDS で Amazon Aurora を使用すると、リレーショナルデータベースのコストを削減できます。

主要な AWS のサービス

コスト最適化に不可欠なツールは Cost Explorer であり、ワークロードと組織の全体にわたり、使用量を可視化して深く理解するのに役立ちます。。以下のサービスと機能では、コスト最適化の 4 つの分野がサポートされます。

リソース

コスト最適化に関する AWS のベストプラクティスの詳細については、以下のリソースを参照してください。

Cost Optimization Pillar
Analyzing Your Costs with Cost Explorer
AWS Cloud Economics Center
AWS Detailed Billing Reports
AWS Total Cost of Ownership (TCO) Calculators
AWS Simple Monthly Calculator
Cost Optimization on AWS